理由なんてない
どうしてこの道を選んだの?
外で自己紹介すると、たいていこう聞かれる。そのたびに私は口ごもる。
そんなの私が聞きたい。相手はじぶんのことを知りたいと思って聞いてくれるのに、うまく返せないのは申し訳ない。しかし、わからないものはわからないのだ。
もちろん選ぶときに悩んだり抵抗もした。面接でも理由を考えた。でも結局、これという答えは出なかった。あえて言うなら、そうするしかなかった、だろうか。
まあつまりは選んだというか、もう決まっていた、ということかもしれない。
その反動でいまは、異常なほどに選択することの重みと喜びを感じている。
成功することも失敗することもある。続くことも続かないこともある。いろんなことを試しながら、なにがヒットするか探っている。
まあいずれにせよ、なにかをすればなにかしらの経験が得られる。続かなくても続いても、やった分だけ知れることがある。
夢も希望もなくても、そんなかけらを集めているだけだっていいだろ。誰かそれでいいと言ってくれ。